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産業用PCによく採用されているOSは?Windows 10?Linux?

産業用PCによく採用されているOSは?Windows 10?Linux?

2020年11月6日

 こんにちは。事業開発部の立原です。

 家電量販店の店頭などで販売されているPCのほとんどが、Windows OSを搭載しているかと思います。MacbookやiMacなどはMac OSです。

 スマートフォンにおいても、Androidスマートフォンといった呼び方をされていますが、この場合の「Android」もOSです。ちなみに、iPhoneに搭載されているのはiOSです。

 このように、身近なところに「OS」は存在していますが、そもそも一体何をするものなのでしょうか?
 また、産業用PCではどういったOSが使われているのでしょうか?


– 目次 –
 ・そもそもOSとは?
 ・産業用PCで利用されているOSとは?

そもそもOSとは?

 OSとはOperating System (オペレーティングシステム)の略です。

 PC本体を構成するハードウェアと、アプリケーションの中間を取り持ち、ハードウェアとソフトウェアを管理する役目をしています。
 主な目的としては、下記三点になります。

  1. ハードウェアの抽象化
  2. リソース管理
  3. 使用効率の向上

1. ハードウェアの抽象化

 PCや各パーツの製造元が異なることで、実際に実現する機能は同じでも細かな仕様の差異があるハードウェアは多く存在しています。これらの細かな差異をOSが吸収し、統一された利用方法を提供することで、アプリケーションの開発を容易にします。

2. リソース管理

 複数のアプリケーション・ソフトウェアを利用する際に、ハードウェアリソースの要求が競合しないよう適切に管理し、互いに独立して動作出来るようにします。

3. 使用効率の向上

 複数のアプリケーションを同時に利用する際、CPUの処理能力の割り当てや、リソース配分の優先度を管理することで、PC全体の使用効率及び処理能力を高めます。


 こういったPC全体を管理する基本的な目的は不変ですが、ハードウェアの進化や技術的革新による機能の追加等により、OSそのものも今も進化を続けています。
 (このあたりのお話は今回の趣旨とは外れるので、また別の機会に。。)


 さて、こういった目的を果たすOSですが、産業用PCではどういったOSが利用されているのでしょうか?

産業用PCで利用されているOSとは?

 それでは、産業用PCではどういったOSが多く使われているのでしょうか・・?

– 産業用PCに採用されている主なOS –

 ・Windows
 ・Linux
 ・RTOS
 ・DOS

Windows

 家庭用PCでも数多く利用されているWindows OSは、産業用PCでも多く利用されています。

 Windowsには、一般用とはことなる組み込み用途向けのWindowsが存在しています。

 Windows 10 IoT Enterprise
 Windows 7 for Embedded Systems
 Windows XP for Embedded Systems

などなど、一般のWindowsとの主な違いはこちら。

 ・長期サポート
 ・Windows Updateの煩わしさが減る
 ・価格が安い


 ・長期サポート


 通常のWindows 10は、更新プログラムリリースから18ヶ月(1年半)のサポート期間が設けられています。
 対して組み込み用途向けWindows 10 IoT Enterprise LTSCは、リリースから10年間のサポート期間が設けられています。

 一般的な民生用PCより長期間利用されることの多い産業用PCには、必須です。

 また、一般向けには販売が終了しているWindows 7も、製品ライフの長い産業用PCではまだまだ現役稼働しています。
 そのため組み込み用途向けWindows 7 for Embedded Systemsも、2024年9月まで供給が継続される予定です。

 ・Windows Updateの煩わしさが減る


 通常のWindowsは、少なくとも月1回はWindows Updateが行われます。再起動を求められたり、アップデート中はしばらくPCを利用出来なかったり、不便に感じることもあるかと思います。ただ、使わないタイミングでアップデートを実施しておく等の機能ももちろんありますので、対策は可能です。

 それに対し産業機器では、工場の生産設備の制御PCなど、24時間365日稼働を続けなければならないPCもあります。そういった機器においてアップデートによる再起動がかかってしまった場合、アップデート中はPCが動かない→装置の稼働も止まる→製品の生産が止まる→機会損失が発生、という可能性も考えられます。

 こういったことが起きないよう、機能更新プログラムが適用されないモデルがWindows 10 IoT Enterprise LTSCです。

 機能更新プログラムが適用されないことで、アップデートの頻度が減ることはもちろん、OSの機能更新により、今稼働しているアプリケーションが動かなくなるといったリスクが無くなります。
 装置として完成されておりOSの新機能は不要、安定稼働が最優先、といった用途にマッチします。
 ※バグフィックスや重要なセキュリティアップデートは適用されます。

・価格が安い


 組み込み用途向けの専用OSのため、一般的な汎用OSより安価に入手することが出来ます。多くのシステム・装置を出荷する上でのコスト削減に寄与します。

 このように、組み込み用途向けWindowsは、慣れ親しんだWindowsの使い勝手はそのままに、産業用途にぴったりな仕様となっており、弊社でも多数販売しています。

Linux

 一般的な家庭用PCではあまり馴染みがありませんが、Linuxは非常に著名なOSカーネルです。最も大きな特徴として、フリーかつオープンソースであることが挙げられます。

 カーネルに各種ライブラリ、基本ソフトウェアなどをまとめて一つのOSとしてパッケージングされたLinuxディストリビューションが多数リリースされています。
 その多くがまたフリーで頒布されていますが、Red Hat Enterprise Linuxなど、業務用途向けにサブスクリプション形式でサポートを提供しているディストリビューションも存在します。

 何と言ってもフリー(≒無償)であることが非常に大きなメリットで、OSライセンス費用がかからない分利益につなげたり、最終製品価格を安価にでき市場競争力を高めることが出来ます。

 ただし、フリーかつオープンソースのため、何か起きた際はユーザーコミュニティで情報提供を呼びかけるなど、購入元ベンダーに調査と対応を依頼、という形が取れない点がデメリットです。
 自ら対処出来るスキルをお持ちの方にとっては、非常によい選択肢となるでしょう。


 ちなみに、スーパーコンピュータの性能ランキングであるTOP500にリストされているシステムの全てがOSにLinuxディストリビューションを採用しています。(2017年11月以降)
 また、スマートフォンに搭載されているAndroid OSもLinuxベースです。

DOS

 1981年頃から2000年頃まで継続して開発されていた、MicrosoftとIBMによる共同開発OSです。

 今のPCのマウスを利用し、わかりやすいグラフィカルなインターフェイス(GUI)とは異なり、CUI(コマンドラインインターフェイス)であることも特徴の一つです。現在のWindows上でも、「コマンドプロンプト」や「Windows PowerShell」を利用することでCUIを体感することができます。

 長期間利用され続ける産業機器の中は、15年以上経っても現役で稼働しているものもございます。

 ポートウェルジャパンにも、極稀にその頃の製品の修理依頼が舞い込んでくることがあります。修理出来るものは修理してお戻し出来るよう全力を尽くしておりますが、キーパーツの生産終了により、どうしても修理が難しい製品もございます。

 そういった場合に備え、ポートウェルジャパンではDOSにも対応したレガシーPCをご用意しています。(RS4U-ISA)
 こちらの製品はIBM PC DOS 2000を搭載して出荷可能です。

 それぞれに利点がある各種OS、ポートウェルジャパンでは最適なOSの選定・ご提案、PCにプリインストールしての出荷まで一手にお請け出来ます。
 是非お気軽にご相談ください。



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